君の名は。がもののけ姫を超えた【感想】
いや、正しくは私が会社に行っている間に、そのうえのハウルも超えていた。
ただ、私にとってはいつも途中で寝てしまう、ハウルよりももののけを超えたということの方が重要なのだ。
もののけ姫が公開された時、私は小学生だった。
一回目は家族と見に行き、二回目は友達と見に行った。
友達と初めて見に行った映画だった。
成人してからも、隠されたメッセージにううん、とうなってしまう。
言の葉の庭など新海監督作品は映像が素晴らしい。「君の名は。」の映像は格別に美しかった。
映像のきれいさ、話の展開の速さ、音楽、これから何が起こるのだろうというワクワク感、ぜひこれは[映画館で見るべきエンターテイメント]だ。
しかし「もののけ姫」を超えは腑に落ちない。
なぜか。
まず、主人公に感情移入できなかった。
主人公の二倍近い年齢の私にとっては主人公の二人はまぶしすぎた。
互いが惹かれ合っていく内面描写が弱く、キャラクターに感情移入できなかった。
私は、登場人物に感情移入ができる映画が好き。
【その点では、細田守監督の作品が好き。
子供の成長の速さを表すシーンや、自立するのを送り出すシーンは自分には子どもはいないが、泣けてしまう。】
純粋な心をもった高校生の時にみていたらなあ・・・
二つ目に主題歌と本作品のストーリーに乖離があると感じてしまった。
主題歌の前前前世は、
前世から待ち焦がれた運命的な恋の絶対的な力を想像させ、
聴くたびに「見たい、見たい」という気持ちを高ぶらせた。
それに比べて本作品のストーリーの時間軸はそれほど長くなく、
「あれっ、前世どこ行った(・・?」
となってしまった。
最後に本作品最大のネタバレをついうっかりヤフーレビューでみてしまった。
上映時間中、どのような流れで、ネタバレの展開までもっていくのかをずっと考えていた。完ぺきに自分に非があるのだが・・・
HUNTER×HUNTWRでハンターになったばかりのクラピカが上司に言われていた。
【敵の姿を勝手に想像するな】と。
その助言を大いに痛感した。
音楽も昔のほうが良かったなんて思うが、それは評価される側【音楽・映画】が変わったのではなくて評価する側【私】が変わってしまったということも言える。
あぁ、もののけ姫をみたときにの純粋なフィルターを通してこの映画をみたかった。